▶ 2017年9月号 目次

「小池百合子」という政治家は初の女性首相を目指すか

木村 良一


 7月の東京都議選で惨敗するなど自民党の「1強政治」に陰りが出ている。民進党も求心力を失い、蓮舫代表や野田佳彦幹事長が辞意を表明した。こうした2大政党の揺らぎが、どう政界再編につながるのかはまだ分からない。
 しかし都議選で自ら立ち上げた地域政党「都民ファーストの会」を率いて大勝した小池百合子都知事の動きが、大きく注目されていることだけは確かである。
 かつて女性として初めて自民党総裁選に出馬した経験を持つ小池氏。今後、国政に進出して初の女性首相を目指すのだろうか。彼女の本音を探ってみた。
 8月7日、小池氏に近い無所属の若狭勝衆院議員が政治団体「日本ファーストの会」を発足させた。都民ファーストの会と連携し、国政新党を年内に結成したいという。次期衆院選(衆院解散による総選挙は別として衆院議員の任期満了は来年12月)の候補者を養成する政治塾を運営し、9月には初講義の講師を小池氏が務める。
 確か、小池氏は都議選で政治塾によって候補者を選出していた。同じ手法である。若狭氏の日本ファーストの会の設立を、小池氏の国政進出への第一歩と歓迎し、新党結成に参画しようとする動きも与野党議員の間で出ている。
 ただ肝心の小池氏は新聞各紙のインタビューに対し「基本的に都知事に専念している」と答え、国政への進出を否定する。
 新聞には小池氏の今後の動きを予測する記事も多い。
 面白かったのは、7月12日付毎日新聞夕刊の特集ワイドである。「小池さん『倒幕』するかもね」という見出しを付け、細川護煕(もりひろ)元首相に話を聞いている。
 その記事によれば、1993(平成5)年6月、前年に細川氏が立ち上げた日本新党がやはり都議選で大躍進した。そのときの選対本部長が小池氏だった。2人は恩師と教え子の間柄で、都議選告示の2週間前など度々、細川氏は小池氏から相談を受けてる。