▶ 2017年11月号 目次

シリーズ・客船で世界を旅してみた~その3~

山形 良樹


 先日、血管年齢を調べる機会があり、恐る恐る右手の人差し指を測定器の中に入れました。実は12年前、島根県の松江に赴任していた時、人間ドックに入り、初めて血管年齢を調べました。検査結果は、惨憺たるもので、なんと血管の硬さが70代前半という判定でした。血管は実年齢より20歳も年を取っていたのです。血管が硬いと脳出血・脳梗塞・心臓病に掛かりやすくなります。医者から「このままでは来年の正月は迎えられないかもしれませんよ」と脅され、血圧降下剤を飲みはじめました。65歳で退職してからは、週3回ジムで汗を流し、食事は野菜を中心にし、アンチエイジングのサプリメントも毎日飲むようにしました。その効果があったのでしょう。驚くことに今回の測定結果では血管年齢が44歳に若返っていたのです。
 さて、この度の船の旅でも健康管理に気をつけました。朝6時から太極拳とラジオ体操、ヨガで体調を整え、初めのうち週3回は船内のジムに通いました。しかしジムは狭く、ランニングマシンはたったの3台、筋トレマシンも数が限られていて、10人も入れば満員という状態でした。それで、風邪をひいて体調を崩したのをきっかけにジムに行かなくなりました。帰国後、そのつけが回ってきました。通い慣れた自宅近くのジムで約4ヶ月ぶりに筋トレをしたところ、筋力が約2年前の状態に戻っていました。結局、回復するのに3ヶ月かかりました。それでは旅の方に話を戻しましょう。
 4月27日、第3の寄港地・スリランカのコロンボに着きました。イギリスの植民地時代「セイロン」と呼ばれたスリランカでは、民族間の対立が長く続き、2009年5月に内戦が終結する前の2ヶ月間だけで10万人以上が命を落としたといいます。
 ポルトガルとオランダにより16世紀末に築かれた要塞が、世界遺産に登録されたスリランカ第2の都市・ゴール旧市街観光に出かけました。中国の援助で完成した高速道路を使って片道3時間半かけて到着しました。途中、ドライブインで日用品を買いました。その6日前、シンガポールの客船ターミナルのショッピングモールで100円ショップを見つけ、日用品を買おうとしたのですが、通用するのはシンガポールドルだけで、持っていた米ドルもクレジットカードも使えず買い物を断念していました。スリランカでは、米ドルもカード(VISAのみ)も使えました。歯ブラシとノート、日本円にして140円ほどをカードで支払いました。超近代的なシンガポールよりもスリランカの方が買い物しやすいのはちょっと意外でした。